最良執行ルール撤廃のSEC提案、仮想通貨取引に追い風も

SEC(証券取引委員会)はRegulation NMSのRule 611および610(e)の撤廃を提案した。採用されれば株式市場の構造変更となり、株式の注文回送の複雑さを軽減し、トークン化証券の取引基盤を間接的に後押しする可能性がある。

要約

SEC(証券取引委員会)は、トレードスルー・ルールとして知られるRegulation NMSのRule 611と、Rule 610(e)の撤廃を提案し、これらの規則がなお投資家保護に資するのか、それとも米国株式市場における注文回送を主として複雑化させているのかを巡る議論が再燃している。Rule 611は、他の取引所で表示されている保護対象気配より不利な価格で取引が執行されるのを防ぐために設けられた。一方、Rule 610(e)はロックド気配およびクロスド気配を扱う。変更が最終決定されれば、2000年代半ば以降の米国株取引を形作ってきた注文回送の枠組みの一部が取り除かれ、取引所間の義務的な相互接続よりも、執行競争と執行品質により大きな比重が移る可能性がある。この提案は仮想通貨やトークン化株式を直接対象とするものではないが、市場構造の簡素化によって代替的な執行モデルの摩擦が減る可能性があるため、トークン化証券プラットフォームやブロックチェーンベースの代替取引システムを構築する企業は注視するとみられる。この措置はなお提案段階にあり、パブリックコメントを受け付けている。

用語解説
  • トレードスルー・ルール: 他の取引所に表示された保護対象気配より不利な価格で取引が執行されるのを防ぐことを目的とした規則。
  • トークン化証券: ブロックチェーンベースのインフラ上でデジタル形式として表現された証券。
  • 代替取引システム: 従来の証券取引所の外で買い手と売り手をマッチングする取引基盤。