米連邦準備制度のカンファレンス、世界のドル体制で高まるステーブルコインの役割に焦点

米連邦準備制度当局者は、ステーブルコインとトークン化資産が銀行や決済システムと並ぶドル仲介の新たな経路を開きつつあるとする一方、AIが金融インフラ全体のデジタルリスクを強めていると警告した。

要約

米連邦準備制度理事のクリストファー・ウォラー氏は、ステーブルコインとトークン化資産が、銀行や決済システムと並ぶドル仲介の新たな経路を生み出すことで、ドルの国際的役割に影響を及ぼす可能性があると述べた。米連邦準備制度理事会の第5回「米ドルの国際的役割」に関するカンファレンスで講演したウォラー氏は、ドルの世界的優位は依然として米国経済の強さ、厚みと流動性を備えた金融市場、そして米国の制度への信認に支えられていると指摘した。一方で、デジタル革新によってドル建て請求権の保有、移転、決済のあり方は変わりつつあるとした。 今回の発言は、ステーブルコイン、トークン化金融、代替的な決済レールが越境決済、外国為替取引、資本フロー、米国の安全資産需要にどのような影響を及ぼし得るかにカンファレンスの焦点が当てられていることを改めて示した。ミシェル・ボウマン副議長も、人工知能が金融インフラのデジタル脆弱性を増幅させていると警告し、新技術が世界のドル体制をどう変えるかを巡る議論に新たなリスクの論点を加えた。

用語解説
  • ステーブルコイン: 準備資産による裏付けなどを通じて、価値の安定維持を目的に設計されたデジタルトークン。
  • トークン化資産: ブロックチェーンまたは類似のネットワーク上でデジタル表現された金融資産で、電子的な移転や決済を可能にするもの。
  • ドル仲介: ドル建ての資金や請求権が、金融システム全体で組成、移転、資金供給、決済されるプロセス。