中国需要の弱さとOPEC+増産で、イランは原油だぶつきの解消に苦戦も

湾岸諸国の輸出回復を背景に、OPEC+は8月の生産目標を日量18万8000バレル引き上げた。一方で、中国需要の低迷と滞留していた原油の市場復帰が、供給過剰への懸念を強めている。

要約

イランはエネルギー輸入に対する制限が解除されたとしても、原油在庫の圧縮に苦戦する可能性がある。中国の買いが弱い上、OPEC+や湾岸産油国による供給拡大が市場の重荷となっているためである。OPEC+は8月の生産枠を日量18万8000バレル引き上げることで合意し、月次の引き上げは5カ月連続となった。これにより、戦争開始以降の累計生産枠引き上げ幅は日量約94万バレルとなる。同時に、湾岸地域の原油フローも回復している。Kplerによると、サウジアラビアの先週の出荷量は日量約630万バレル、UAEの6月の原油・コンデンセート輸出量は日量394万バレルだった。モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスを含むアナリストや銀行は、供給増が続けば来年の市場だぶつきにつながる可能性があると警告している。一方、中国は購入を目立って増やしておらず、イランおよび中東全体からの輸入は大きく減少している。

用語解説
  • OPEC+: 生産政策を調整する主要産油国の連合体。
  • Strait of Hormuz: 世界の原油輸送にとって重要な湾岸の海上チョークポイント。
  • Brent crude: 原油の国際指標価格。