
半導体、コンピューター、データセンター向け支出に伴う資本財輸入の過去最大の急増が、輸出減少と相まって2025年3月以来の最大の赤字幅をもたらした。
米国の5月の貿易赤字は、4月の改定値546億ドルから776億ドルへと急拡大し、2025年3月以来の最大幅となった。6月26日に米商務省が公表した財のみの赤字は1058億ドルに達し、資本財輸入が過去最高水準に増加する中で、貿易情勢の悪化を浮き彫りにした。 輸入総額は5月に3.6%増の3134億ドルとなる一方、輸出は5.4%減少した。資本財輸入は前年同月比41.9%増加しており、半導体、コンピューター、データセンター機器への積極投資が背景にある。消費財や石油を含む産業資材の増加も、赤字拡大に拍車をかけた。 輸入の伸びが輸出を上回ると貿易は成長の押し下げ要因となるため、今回の数値は第2四半期のGDPに対する純輸出の下押し圧力が第1四半期より大きくなる可能性を示している。このデータは米連邦準備制度の政策見通しも複雑にしかねない。成長鈍化は利下げ観測を支える一方、輸入コスト上昇に伴う赤字拡大はインフレ懸念を引き続き意識させる可能性がある。 テック市場と仮想通貨市場にとって今回の統計は、AI投資拡大を支えるハードウェアに米国がどれほど巨額の支出を投じているかを示している。貿易統計自体はデジタル資産やブロックチェーン活動との直接的な関連を示していないものの、半導体、コンピューティング基盤、関連サプライチェーンに関わる企業はこの投資の波の中心に位置している。