
今回の購入は、同社がSpaceXの企業価値が2030年までに3.1兆ドルに達し得ると主張するなかで、先月のIPO以来3度目の押し目買いとなる。
キャシー・ウッド率いるARK Investは、SpaceX株のIPO後の下落が続くなかで約700万ドル相当を買い増し、イーロン・マスク氏の宇宙企業が現在の規模を大きく上回る成長を遂げるとの確信を改めて示した。今回の買い増しは、先月のSpaceXのIPO以降で3度目の押し目買いとなる。上場初日に複数のETFを通じて約330万株を初回購入し、さらに先月末には上場後初の大幅下落を受けて3200万ドルを追加投資していた。 今回の買い付け後、ARKの主力ファンドであるイノベーションETFは、約2億6600万ドル相当のSpaceX株178万株を保有する。同銘柄は同ファンドで7番目に大きい組み入れ銘柄となり、総保有資産の4%を占める。資金捻出のため、ARKはアリババ株を約57万株売却した。これは、同社が昨年、4年ぶりに2本のETFを通じて1630万ドルを投じてアリババへの投資を再開して以降、ポートフォリオの見直しを進めている流れの一環である。 SpaceX株は軟調に推移している。水曜日時点で株価は149ドルと、5日間で13%下落し、3週間前の上場初値を下回った。先月付けた過去最高終値211ドルからも29%下落している。SpaceXの時価総額は現在1.9兆ドルである。 ARKの強気な長期見通しは、2026年版「Big Ideas」レポートで示されている。同レポートによると、最良のシナリオではAI、データセンター、航空宇宙事業をけん引役として、SpaceXの企業価値は2030年までに3.1兆ドルに達し得る。また、2008年以降、物資を宇宙に送るコストを約95%削減し、1キログラム当たり約1,000ドルまで引き下げたとしている。ARKは、このコストが最終的に1キログラム当たり100ドルまで低下する可能性があるとみており、軌道上データセンター(宇宙空間に設置する計算施設)の実現にとって重要な変化だと位置付けている。 ウッド氏は、より高性能なAIモデルには、現実的なコストで地上では供給しきれない計算能力が必要になる可能性があるとするマスク氏の見方に同調してきた。一方、批判派は、軌道上データセンターの実現にはなお長い時間を要し、大規模で高コストな太陽光発電インフラが必要になると指摘している。ウッド氏は政治面や企業統治を巡る論争の時期にも、公の場でマスク氏支持を維持してきた。