判事がマスク氏の2022年ツイッター株取得巡る150万ドルのSEC和解を承認

判事がマスク氏の2022年ツイッター株取得巡る150万ドルのSEC和解を承認

異例の枠組みに重大な懸念を示しつつも判事は承認した。取り消し可能信託が制裁金を支払い、マスク氏個人への請求は取り下げられる内容である。

ファクトチェック
ロイターの一次報道は、マスクによるTwitter株保有の開示遅延を巡るSEC(証券取引委員会)との和解について、スークナナン判事が承認し、マスクの信託に150万ドルの民事制裁金の支払いを命じたこと、さらに判事がこの和解で十分な説明責任が果たされたのか疑問を呈したことを確認している。Engadgetも、150万ドルという金額、2026年7月8日の承認日、信託の仕組み、そして判事の懸念を独自に裏付けている。この主張の重要な要素はすべて、これらの信頼できる情報源によって裏付けられている。
    参考12
要約

米連邦判事は、2022年のツイッター株購入の開示遅延を巡るイーロン・マスク氏と米SEC(証券取引委員会)との150万ドルの和解を承認した。一方で、この合意が実効的な説明責任を伴うのかについて公然と疑問を呈した。米連邦地裁のスパークル・L・スークナナン判事は、この枠組みには重大な懸念と危険信号があるとしつつ、司法審査を愚弄するほど不合理でない限り、裁判所がこれを退けることはできないと結論づけた。 SECは2025年1月、マスク氏がツイッター株の保有比率5%超を適時に開示せず、その後も市場が同氏の保有を把握する前に買い増しを続けたとして提訴した。規制当局によれば、これにより同氏は約1億5000万ドルを節約し、開示期限経過後に約5億ドル分のツイッター株を購入したという。 和解条件では、マスク氏本人ではなく同氏の取り消し可能信託が、申し立てを認めも否定もせず民事制裁金を支払う一方、同氏個人に対する請求は棄却された。スークナナン判事は、SEC自身が、受託者または受益者に対する手続きを伴わずに信託とだけ証券取引法13条(d)違反事件を和解した前例はないと認めていたと指摘した。また、投資家への補償につながり得た不当利得返還請求を、なぜ当局が途中で断念したのか疑問を呈した。 判事はさらに、2026年5月に訴訟の流れが急転した点も強調した。この時、SECは訴状を修正して信託を被告に追加し、1億5000万ドルの不当利得返還請求を取り下げ、速やかに同意判決を申し立てた。SECは、マスク氏個人を無制裁とする扱いは同氏側の要請であり、妥協案として受け入れたと説明した。今回の判断により、マスク氏による440億ドルでのツイッター買収に絡む残る規制当局との争いの1つは終結するが、多額の不当利得が疑われる事案でSECが開示規則をどこまで厳格に執行するのかという、より広い問題は残されたままである。

用語解説
  • 証券取引法13条(d): 一定の保有比率の閾値を超えて上場企業の大口持ち分を取得した投資家に対し、開示を義務付ける米証券法の規定。
  • 取り消し可能信託: 設定者が通常は内容を変更または取り消すことができ、実質的にその人物の支配下にとどまる場合がある信託。
  • 不当利得返還: 被告に不正に得たとされる利益の返還を求める救済で、被害を受けた投資家への補償に充てられることが多い。