消費者インフレは5月から減速する一方、工場出荷段階の物価は加速し、家計需要ではなく輸出と製造業がけん引する二極化した経済を浮き彫りにした。
中国では6月の消費者インフレが鈍化する一方、卸売物価の伸びは加速し、国内需要の弱さが続くなかでも川上段階の価格上昇圧力が強まっていることが浮き彫りになった。消費者物価は前年同月比1%上昇と、ロイター調査のエコノミスト予想1.1%を下回り、5月の1.2%から減速した。一方、生産者物価指数(PPI)は4.1%上昇し、予想と一致するとともに、5月の3.9%から伸びが加速した。 この乖離は、家計支出がなお圧迫される一方で、製造業者が高止まりする投入コストに直面する経済構造を映している。工場出荷価格は、中東情勢を受けた商品市況の上昇で3月に再びプラス圏へ戻り、中国で数十年ぶりの長期的なデフレ局面の一つに終止符を打った。卸売価格は、人工知能向け計算能力の需要増加にも支えられ、ハイテク機器や半導体の価格押し上げ要因となった。 同時に、6月の公式PMI(購買担当者景気指数)は、コスト圧力の一部緩和を示した。投入コストのインフレ指標は5月の60.5から54.2へ低下し、6カ月ぶりの低水準となった。産出価格のサブ指数も51.9から48.2へ低下し、年初来で初の縮小となり、工業製品価格の勢いが後退していることを示唆した。 今回のインフレ統計は、国際通貨基金(IMF)が2024年の中国成長率見通しを4.4%から4.6%へ引き上げる一方、世界全体の見通しを3%へ引き下げた時期に公表された。中国は今年の成長率目標を4.5%-5%に設定している。IMFは、ハイテク製造業、輸出、前倒しされた公共インフラ投資が見通しを下支えしていると指摘した。ロイターが引用したアナリストは、輸出と製造業主導の底堅さが、低迷する消費を支える大規模刺激策の発動に対する北京の慎重姿勢を一段と強める可能性があるとし、7月下旬の政治局会議が政策強化の有無を見極める次の重要な局面になるとみている。