
現物取引手数料のほぼ無料化、流動性の厚み拡大、規制準拠商品のラインアップ拡充を追い風に、同取引所は米市場シェアをおよそ20%まで戻すことを目指している。
バイナンスUSは、バイナンスブランド全体を巡る規制対応の余波で2年間の低迷を強いられた後、事業の立て直しを進めている。CEOのスティーブン・グレゴリーは、米国の仮想通貨取引市場で約20%のシェア回復を目標に掲げた。グレゴリーは、同取引所がかつてその水準のシェアを有していたとしたうえで、コインベースやクラーケンなどの競合から利用者を取り戻すため、取引手数料のほぼ無料化、流動性回復への取り組み、さらに将来的にはより幅広い規制準拠商品群の提供を進める考えを示した。 グレゴリーは過去2年間を「冬眠」期間と表現し、バイナンスUSは独自のガバナンス体制と、米国顧客専用のライセンスを備えた米国規制下の別法人として再構築を進めていると述べた。バイナンス.comとブランドおよび最終的な受益所有者を共有しているものの、透明性向上の取り組みも強化しているという。具体的には、バイナンスUSは5月、コインベース、クラーケン、40社超の仮想通貨企業とともにBlockworks Transparency Allianceに参加した。この取り組みでは、投資家向けのプロジェクト開示を標準化するToken Transparency Frameworkを活用している。 同社はメイカー手数料を0%、テイカー手数料を2ベーシスポイントに引き下げており、グレゴリーはこれによってバイナンスUSは「実質的にほぼ手数料無料の取引所」になったと説明した。取引所は、無駄のない運営体制によって低コストを維持しつつ、デジタル資産カストディなどのサービスで取引収入を補完する方針である。グレゴリーはまた、再建の一環として、大口個人顧客への直接的な働きかけ、板の厚み回復を狙ったインセンティブ提供、さらに米国の規制環境が好転した場合に備えて、規制対象のデリバティブ、無期限先物契約、予測市場への参入申請書案を準備していると述べた。