
大西洋横断の共同ロードマップは、デジタル資産と資本市場に関する拘束力のない10項目の勧告を示した。別途公表された英米のステーブルコインに関する立場表明では、準備資産、償還、越境利用に関する整合的なルールを支持した。
米国と英国は、ステーブルコイン、トークン化資産、資本市場に対する両国のアプローチを整合させるための共同勧告10項目を公表した。ブロックチェーン基盤の金融を両法域でより円滑に運用できるようにする大西洋横断の取り組みを拡大するものとなる。ロードマップの中核には、連携した監督の下で実際の越境トークン化事例を試行する民間作業部会の設置案がある。資産が両市場間を移動する際、ルールの調和が実務で機能するかを検証する狙いである。 ロードマップは、イングランド銀行、英金融行為監督機構(FCA)、米証券取引委員会(SEC)、米商品先物取引委員会(CFTC)に対し、規制の縦割りを個別に構築するのではなく、トークン化証券に対する整合的な監督体制の実現を目指すよう求めている。また、ステーブルコインについては「規制上の調和」を促進し、両市場でトークン化証券を発行する企業が直面する摩擦の軽減も目指す。 この一連の文書は、英財務省と米財務省が「未来の市場に関する大西洋横断タスクフォース」を通じて7月14日に公表したもので、相互承認や拘束力のあるルールを創設するものではない。各国が独自の立法・規制手続きを継続する中で、共通の方向性を示す内容である。これとは別に、英米両政府は「金融イノベーションとデジタル資産の未来」作業部会を通じ、決済用ステーブルコインは高品質で流動性の高い資産によって1対1で完全に裏付けられるべきだと表明した。準備資産は発行体の資金と分別管理し、カストディ、償還、市場アクセス、越境利用、法的権利の開示に関する共通基準も支持した。さらに、合法かつ規制下にあるステーブルコインおよびデジタル資産の提供者は、リスクに見合った公正な金融サービスと市場へのアクセスを持つべきだとし、一方の法域で発行されたステーブルコインが他方の市場にアクセスする道筋も検討するとした。英国は2024年にデジタル証券サンドボックスを開始しており、2029年まで運用される予定である。一方、米国ではトークン化証券とステーブルコイン準備資産の枠組み整備が進んでいる。英国政府は、2035年までにトークン化されたホールセール市場が年間330億ポンドの経済効果を生み、同年までにトークン化分野から年間140億ポンドの税収をもたらす可能性があると試算している。