金は利上げ懸念で6月初旬以来最大の週間下落へ

米国とイランの衝突激化と原油相場の急騰でインフレ懸念が再燃し、米連邦準備制度の一段の引き締め観測が強まり、米インフレ指標の鈍化にもかかわらず金地金の重しとなっている。

要約

金は金曜日、米国とイランの衝突激化で原油価格が大幅に上昇し、インフレ懸念が再燃して米国の金利上昇観測が強まったことから、6週間で最大の週間下落となる見通しである。金現物は0313 GMT時点で0.5%高の1オンス3988.20ドルと、先に付けた7月1日以来の安値から持ち直し、8月限の米金先物は3992ドルで横ばいだった。6月の米CPIとPPIが市場予想より弱い内容だったにもかかわらず、原油急騰と利回り上昇への懸念がインフレ鈍化による支援材料を上回り、金地金は今週3.2%下落した。原油価格は、ホルムズ海峡からの供給が限られたことや紅海航路への懸念を背景に週間で約12%上昇し、エネルギーコスト上昇がインフレを再燃させる可能性があるとの見方を強めた。ダラス連銀のロリー・ローガン総裁は公に利上げを求め、米連邦準備制度のフィリップ・ジェファーソン副議長も、短期的にインフレ改善が見られなければ利上げに前向きだと述べた。CME (Chicago Mercantile Exchange)のFedWatch Toolによると、トレーダーは12月利上げの確率を73%織り込んでいた。銀、プラチナ、パラジウムもこの日下落し、そろって週間ベースで下落に向かっている。

用語解説
  • 金地金: 投資または価値保存手段として取引される現物の貴金属。
  • CME (Chicago Mercantile Exchange)のFedWatch Tool: 先物価格に基づき、米連邦準備制度の政策金利変更見通しを示す市場ベースの指標。
  • 利息を生まない資産: 金のように利子や配当を生まない資産。