インド・ルピーが最安値圏に接近、原油急騰と中銀防衛に注目

米国とイランの敵対激化に加え、ホルムズ海峡の海運混乱が重荷となるなか、ブレント原油が1バレル=90ドルを上回り、ルピーは一段安で始まるとみられている。

要約

インドが主要な原油輸入国であることへの懸念が強まるなか、米国とイランの敵対行為の激化を受けてブレント原油が1バレル=90ドルを上回り、週明け月曜の取引開始時にインド・ルピーは再び下押し圧力にさらされる見通しである。トレーダーは、金曜に96.28で引けたルピーが1ドル=96.50を下回って下落し、5月に付けた過去最安値の96.96に接近するとみている。 ルピーは今月1.7%下落しており、直近の軟化局面は原油価格の反発が主因である。原油の一時的な下落、ドル流入を促すことを狙ったインド準備銀行の措置、インド株への海外資金流入の改善がこれまで下支えとなっていたが、原油相場の再上昇でその支援材料は後退した。 ブレント原油は月曜に2.7%上昇し、約6週間ぶりに1バレル=90ドルを突破した。米・イラン和平合意への期待が高まっていた局面では70ドル近辺まで下落していた。週末には紛争が一段と激化し、米国は9夜連続でイランへの攻撃を実施、クウェートとバーレーンはイランによる新たな攻撃を報告した。最近の船舶攻撃でホルムズ海峡を通る物流が混乱しており、INGは、緊張激化が長期化すればペルシャ湾全域で大規模な攻撃が再燃する可能性があるほか、海運フローは米・イラン了解覚書以前の水準に戻っていると警告した。 米国債利回りは月曜に上昇した一方、米株価指数先物は金曜の売りを受けてもほぼ横ばいだった。原油高の影響を受けやすいアジア通貨であるインドネシア・ルピアやフィリピン・ペソも下落した。

用語解説
  • ホルムズ海峡: 世界の原油輸送における重要な航路であり、混乱が生じるとエネルギー価格の上昇要因となり得る。
  • ドル流入: 投資などを通じて海外通貨が国内に流入することで、現地通貨の下支え要因となる。
  • 了解覚書: 当事者間の条件を定める正式な合意文書だが、一般に条約ほどの拘束力は持たない。