
Hut 8のAIシフトは年初来の株価急騰を後押しした一方、分社化された採掘部門American Bitcoinは、採掘設備とビットコイン保有の拡大が続く中でも出遅れている。
Hut 8は、テキサス州ヌエセス郡のBeacon Pointキャンパスで352メガワットのIT容量を対象とする2件目の15年賃貸契約を98億ドルで締結し、1ギガワットの同拠点を全面的に商業化したと発表した。同時に、同じ名称非公表の高格付けテナントによる同地での契約容量は704MWへと倍増した。同社によると、このトリプルネット契約には年間3%の賃料上昇条項が含まれ、累計純営業利益は98億ドル、安定稼働後は年間約6億5500万ドルを生み出す見通しである。 同社のAIインフラへの傾斜は市場パフォーマンスにも表れている。BeInCryptoはTradingViewのデータとして、Hut 8株が今年44ドルから133ドルへ上昇し、ピーク時には約200%の上昇となったと報じた。投資家が長期のデータセンター契約と、ビットコイン採掘専業モデルからの広範な転換を好感したためである。アッシャー・ジェヌート最高経営責任者はCNBCに対し、ビットコイン採掘中心の事業からAIインフラへの移行が株主に前向きな成果をもたらしていると述べた。 一方で、Hut 8のビットコイン採掘事業を担うため2025年3月に分社化されたAmerican Bitcoin(ABTC)は、採掘設備とビットコイン保有を拡大しているにもかかわらず、引き続き圧力にさらされている。BeInCryptoによると、ABTC株は年初来で76%超下落しており、エリック・トランプ氏の保有株の価値も6億ドル超目減りしたとされる。 Hut 8によると、Beacon Pointの2件の賃貸契約の基本契約期間ベースの合計価値は現在196億ドルで、それぞれに付く5年間の更新オプションを行使すれば、キャンパス全体の価値は502億ドルに達する可能性がある。今回の契約により、River Bendの245MWを含むHut 8のAIポートフォリオ全体は949MWへ拡大し、仮想通貨採掘企業が電力と土地を長期のAI・データセンター契約で収益化しようとする広範な潮流も浮き彫りとなった。