
先端品と成熟品の双方に及ぶ今回の値上げは、AI主導の需要が供給を上回る中、投入コストの上昇に加え、TSMCが製造費や工場建設費の増加を挙げていることを背景とする。
日経アジアによると、世界最大のファウンドリーであるTSMCは来年、半導体受託生産とサービス価格を約10%引き上げる計画である。需要の強まり、原材料費と装置コストの上昇、新工場建設に伴う費用増に対応するためだという。報じられた値上げ幅は顧客や製品によって異なり、12ナノメートル、16ナノメートル、28ナノメートルのプロセスを含む成熟ノード製品と先端品の双方が対象となる。一部の高性能コンピューティング向け半導体では、需要予測を上回る注文に対し、基本値上げ分に加えてさらに10%〜15%を上乗せする案も検討しているとされ、一部先端品の総値上げ幅は10%を超える可能性がある。 同社は顧客の準備期間を確保するため、今年後半ではなく来年の実施を選んだとされる。今回の動きは、データセンターブームと供給逼迫を背景に、インテル、サムスン電子、SKハイニックスなどの半導体各社も値上げを進める中で浮上した。TSMCが示したとされる理由は、需給の逼迫だけでなく製造コストの上昇にも及んでおり、より広範な半導体主導のインフレ、いわゆる「チップフレーション」が強まるとの懸念を一段と高めている。