カザフスタン、黒海のCPCターミナル損傷で石油輸出停止

カザフスタン、黒海のCPCターミナル損傷で石油輸出停止

ノヴォロシースクでタンカーが攻撃を受けて損傷し、カスピ海パイプライン・コンソーシアム経由の出荷が停止した。カザフ原油輸出の大半を担う主要ルートが寸断され、欧州の精製業者の供給リスクが高まっている。

要約

カザフスタンは7月21日、ロシアの黒海沿岸ノヴォロシースクのターミナルでカザフ産原油を積載していたタンカーがドローン攻撃で損傷し、船舶運航会社が接岸を拒否したことを受け、カスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)経由の原油出荷を停止した。CPCルートはカザフスタンの原油輸出の約80%を担っており、同国の主要な輸出経路であると同時に、欧州の精製業者にとって重要な供給源でもある。 7月17日から7月20日にかけて、ターミナルの船舶を標的とした複数の攻撃が発生した。少なくとも2隻のタンカー「Asia」と「Nissos Ios」が7月19日に損傷し、同じ時期に3隻目の「Nelsa」も攻撃を受けたと報じられた。カザフスタンは、これらの攻撃が自国の経済的利益を狙ったものだと非難し、CPCインフラに影響を及ぼす戦闘行為の停止をウクライナに求めるとともに、石油輸送ルートの安全確保に向けて米国と欧州のパートナーに支援を要請した。 この混乱が重要なのは、テンギス油田からノヴォロシースクまでを結ぶ全長1,600キロメートルのパイプラインが、世界の石油供給の1%超を担っているためである。停止が長期化すれば、欧州向け原油の供給余力を圧迫し、原油価格を下支えするとともに、より広範なインフレやリスク資産への懸念を強める可能性がある。

用語解説
  • カスピ海パイプライン・コンソーシアム: カザフスタンの原油輸出の大半を、ノヴォロシースクの黒海ターミナルまで輸送するパイプラインシステム。
  • CPCインフラ: カスピ海パイプライン・コンソーシアムの輸出ルートを通じてカザフ産原油を輸送するために使われる積み出し・パイプライン施設。
  • リスク資産: 株式や仮想通貨など、成長率、インフレ、金利見通しの変化に比較的敏感に反応しやすい投資資産。