BIS、ドル建てステーブルコインは130超の経済圏で資本規制を迂回可能と指摘

BIS、ドル建てステーブルコインは130超の経済圏で資本規制を迂回可能と指摘

BIS(国際決済銀行)の調査によれば、銀行危機はステーブルコイン流入を押し上げる一方、資本規制は預金のドル化を仮想通貨フローよりはるかに強く抑制しており、ステーブルコイン供給額が2926億ドルに達する中でデジタル・ドル化のリスクが浮き彫りになった。

ファクトチェック
一次情報源であるBIS(国際決済銀行)ワーキングペーパー第1370号(bis.orgの公式ページ)は、この主張を直接裏付けている。同研究は130超の経済圏を対象とし、ステーブルコインのフローは資本移動規制や為替規制の影響をおおむね受けにくい一方、預金のドル化はこうした規制に反応すると結論づけている。その背景として、ステーブルコインが規制の枠外で部分的に流通している点を挙げており、新興国・発展途上国経済における金融政策の統制や通貨主権への懸念も提示している。報道したCointelegraphとcrypto.newsは、これらの内容を正確に要約している。主張を構成する各要素は、権威ある一次情報源によって裏付けられている。
要約

BIS(国際決済銀行)の調査によれば、ドル建てステーブルコインは、従来の外貨建て銀行預金よりも政府が抑制しにくい新たなデジタル・ドル化の経路を生み出している。2017年から2024年にかけて130超の経済圏の預金データと184カ国のステーブルコイン流入データを用いたこの研究では、銀行危機が発生するとステーブルコイン流入はGDP比で0.8%高くなる一方、資本規制は預金のドル化を25〜32ポイント押し下げるものの、仮想通貨フローへの影響ははるかに小さいことが示された。BIS(国際決済銀行)は、ステーブルコインが外為規制の執行に用いられる規制の枠外で主に機能しているとし、新興国・発展途上国の通貨主権に対するリスクが高まっていると指摘した。論文はボリス・ホフマンを含む3人のエコノミストが共同執筆し、最終版の日付は6月30日、公表は7月21日と記されている。ステーブルコイン供給額は7月21日時点で2926億ドルとなり、1年前の2530億ドルから増加した。一方で米国、欧州連合、日本では監督枠組みの整備が進んでいる。

用語解説
  • デジタル・ドル化: 国内通貨ではなく、デジタルトークンを通じてドル連動資産へ資金が移ること。
  • 資本規制: 資金の国内流入や国外流出の方法を制限する政府の措置。
  • 預金のドル化: 国内通貨ではなく外貨で銀行預金を保有すること。