下院が1.15兆ドルのNDAA可決、219条が主権論争を招く

下院が1.15兆ドルのNDAA可決、219条が主権論争を招く

2027会計年度の国防法案は、異例の造反を伴い216対212で下院を通過した。一方、米イスラエル防衛条項への批判と国防総省の名称変更案が上院審議の行方に影を落としている。

ファクトチェック
見出しの主張はすべて、複数の独立した情報源で裏付けられている。The Hillの「下院、1兆1500億ドルの国防法案を前進させる」と「民主党議員6人が造反」の両記事は、216対212の採決、民主党からの6人の造反、1兆1500億ドルという規模、軍人給与の引き上げ、住宅および航空機向け資金、そして論争の的となっている第219条の米イスラエル防衛技術協力イニシアチブをいずれも確認している。AOLも採決と歳出要請を独自に確認している。Congress.govは、H.R.8800が2027会計年度の国防権限法(NDAA)であり、イスラエル関連条項を含むことを確認している。イスラエル条項を巡る対立は、マッシー下院議員の反対によって裏付けられている。採決数や造反者数に関して、矛盾する証拠は見当たらなかった。
要約

下院は2027会計年度の国防権限法(NDAA)を216対212の僅差で可決した。法案規模は1.15兆ドルで、民主党議員6人が賛成し、共和党議員7人が反対した。法案には、軍人の給与引き上げに加え、ピート・ヘグセス国防長官に対し、米イスラエル防衛技術協力イニシアチブの執行責任者を任命するよう指示する219条、さらに国防総省を「戦争省」に改称する下院承認済みの文言が盛り込まれている。 219条は、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員が「米国の主権と民主主義に対する存立的脅威」と批判したことで論点の中心となったほか、トーマス・マッシー下院議員やロ・カンナ下院議員も削除を試みたが実現しなかった。これに対し、マイク・ローラー下院議員やEPAのリー・ゼルディン長官ら共和党側は、オカシオ=コルテス議員の見方を退けた。法案は今後上院に送付されるが、民主党は此前に類似法案を阻止しており、イラン戦争、米イスラエル軍事協力、より広範な防衛政策を巡る対立が可決を複雑にする可能性がある。

用語解説
  • NDAA: 米軍の優先課題を定め、支出と各種計画を承認する米国の年次防衛政策法案。
  • Section 219: 2027会計年度NDAAに盛り込まれた条項で、米イスラエル防衛技術協力イニシアチブのための執行責任者を国防総省が指定するよう求める内容。
  • executive agent: 政府の計画や任務の調整・監督を担うよう指定された責任主体。