MiCAの移行期間終了に伴い、BybitはEEAユーザーをオーストリアで認可を受けたBybit EUプラットフォームへ移行させる方針であり、認可企業が事業を拡大できる一方、無認可業者が後退を迫られる構図が浮き彫りになっている。
欧州の仮想通貨資産市場規則(MiCA)は2026年7月1日に最終段階へ入り、事業継続の認可を受けた仮想通貨企業と、EU向けサービスの停止を迫られる企業との分断が鮮明になった。Bybitは、EEA居住者によるグローバルプラットフォームへのアクセスを段階的に制限し、マルタを除くEEAを対象とするウィーン拠点のオーストリア認可プラットフォーム「Bybit EU」へユーザーを移行させると明らかにした。ユーザーには、未決済ポジションの管理、残高の移転、規制対応プラットフォームへの移行方法に関する案内が送られる予定であり、同プラットフォームの利用には別途アカウントが必要となる。 今回の動きは、MiCAの下で進む欧州の仮想通貨市場再編を象徴している。認可業者は単一の認可で域内全体の顧客にサービスを提供できる「パスポーティング」を活用できる一方、認可を持たない企業はサービス撤退に直面する。Bybitによると、Bybit EUは暗号資産の保管・管理、暗号資産と法定通貨間および暗号資産同士の交換サービス、送金サービスを提供する。ユーザー獲得に向け、2026年7月31日まで実施する「Move Your Funds, Get Rewarded」キャンペーンも開始し、登録特典、一時的なVIPアップグレード、大口入金に対するUSDCキャッシュバックを提供している。 業界再編の影響は大きい可能性がある。欧州証券市場監督局は、5月末時点で認可を取得していた企業が1,200社超のうち210社にとどまったとし、多くの事業者が市場を去る可能性を示唆した。バイナンスはその代表例となっており、ギリシャでライセンス取得に失敗した後、申請を取り下げ、7月1日からEUの複数国でサービスを停止している。コインベース、クラーケン、OKXなどの認可済みプラットフォームは、共通ルールブックの下で引き続きEU顧客にサービスを提供できる立場にある。