サゼラックがブラウン・フォーマンに150億ドルの買収提案を再提示、取締役会は実行不可能と判断

ブラウン家の議決権ブロックは、サゼラックの現金買収提案を再び拒否した。ブラウン・フォーマンは、CEO交代と業績見通しの軟化のなかでも独立戦略を堅持している。

要約

サゼラックは、1株当たり32ドル、総額150億ドルの非要請の現金買収提案を再提示し、ブラウン・フォーマン買収の追求を再開したが、ブラウン家の議決権ブロックは今回も迅速にこれを阻止した。ブラウン・フォーマンは、取締役会がWolf Pen Branch, LPの見解も踏まえて提案を検討した結果、実行不可能と結論付けたと説明した。A種株の支配構造が、支配権移転取引における最大の障害であり続けていることを改めて示した。 今回の動きは7月24日に起きた。サゼラックは、4月に初めて提示し5月に拒否された提案について、ブラウン・フォーマンのA種株主に再考を促した。買収提案に関連する社内資料では、統合会社が2026年に120億ドル超の売上高、30億ドル超のEBITDA、30%超のEBITDAマージンを生み出す可能性があるとされた。サゼラックは、これにより売上高ベースでディアジオに次ぐ世界第2位の酒類グループが誕生すると主張した。提案は資金手当て済みであり、サゼラック側で株主投票は不要で、A種株主にはガバナンス保護や流動性向上、ブラウン・フォーマンの現行水準を上回る配当を伴う、税効率の高いロールオーバーの選択肢も提示されたとしている。 再提示は、ブラウン・フォーマンが社長兼CEOのローソン・ホワイティング氏について、後任が決まり次第退任する計画を公表した後に行われた。アナリストは、このタイミングから、経営トップ交代がサゼラックによる働きかけ強化のきっかけになった可能性があると指摘した。一方、ブラウン・フォーマンは、地理的拡大、ブランド構築、業務効率化に引き続き注力すると強調した。同社は最近、2027年度見通しとして、純売上高はおおむね横ばい、オーガニック営業利益は3%から5%減少するとのガイダンスを再確認した。2026年度の純売上高は1%減の39億ドルだった。Bloomberg IntelligenceはCircanaのデータを引用し、ジャックダニエルの米ウイスキー市場シェアが2021年の7.8%から昨年は6.7%に低下したと伝えた。

用語解説
  • A種株主: 買収承認を含む主要な企業意思決定を左右できるほど大きな議決権を持つ株式クラスの保有者。
  • EBITDA: 利払い前・税引き前・減価償却前利益。事業の収益力を測る一般的な指標。
  • 支配権移転取引: 通常は買収や合併を通じて、企業の支配権が移る取引。