
提案されている保証に加え、GPU向けの別個の資金調達協議も進んでいることで、エヌビディア、OpenAI、ソフトバンクなどにまたがる相互連関した資金供給がAIインフラ需要やバリュエーションを増幅しているとの投資家の懸念が強まっている。
OpenAIは、オハイオ州パイク郡で計画する10ギガワット規模のAIデータセンター群の資金調達を支援するため、最大2500億ドルの保証についてエヌビディアと協議している。これとは別に、エヌビディアはOpenAIによるエヌビディア製GPU購入に向けて3500億ドルの資金を供給することも検討している。ウォール・ストリート・ジャーナルとブルームバーグが7月27日に報じたこれらの協議は、なお初期段階にあり、破談または条件変更となる可能性がある。旧ウラン濃縮工場跡地で米エネルギー省と連携し、ソフトバンクとSB Energyが開発を進めるオハイオ州の施設群の総事業費は、5000億ドルを超える可能性がある。 提案されている枠組みは、いわゆるAIの循環型ファイナンスを巡る議論を一段と過熱させている。これは、エヌビディアが関与する資金供給や保証、融資、出資が、顧客や提携先によるエヌビディア製チップの購入や、エヌビディア製ハードウエアに依存する施設の建設を後押しする構図である。批判派は、こうした仕組みが見かけ上のGPU需要や企業価値評価を押し上げる一方、AI需要が期待に届かなかった場合の損失を拡大させかねないと指摘する。エヌビディアはOpenAI、Anthropic、CoreWeave、Nebius、Naver、マーベル・テクノロジーなど、AIスタック全体にわたり投資を行っている。ソフトバンクは10月までにOpenAIへ約650億ドルを投資することで合意しており、その履行を支えるため400億ドルのつなぎ融資契約も結んだ。 エヌビディアが韓国のSKグループと進める5000億ドル規模のAIプロジェクトにも、新たな精査の目が向けられている。最高経営責任者ジェンスン・フアン氏は、これはSKハイニックスからの広帯域メモリー購入と、SKグループによるエヌビディア製GPUおよびスーパーコンピューター購入の長期的価値を反映したものであり、直接の現金投資ではないと説明した。エヌビディアは別途、NaverのAIデータセンター整備に10億ドルを投資することでも合意している。こうした類似の資金調達スキームは業界全体に広がっており、グーグルはAnthropicの5カ所のデータセンターについてリース料支払いを保証し、Anthropicが約350億ドルの融資を確保するのを支援した。保証、レバレッジ、供給業者と顧客の結び付きが複雑に絡み合うなか、AIインフラ拡大がより広範なシステミックショックにさらされつつあるとの懸念が高まっている。