英欧のガス価格下落、米・イランの戦闘休止で供給懸念和らぐ

米国とイランが3夜連続で交戦を見送ったことでエネルギー供給の混乱懸念が和らぎ、ガス価格と米国債利回りは下落した。ただ、欧州ではガス在庫の低水準とLNG供給の逼迫を背景に、冬場のリスクが引き続き意識されている。

要約

英国と欧州の天然ガス価格は急落し、米国債利回りと原油価格も下落した。米国とイランの戦闘休止により、中東全域での供給障害拡大に対する目先の懸念が後退したためである。英国のガス価格は7%超下落して1サーム当たり141ペンスを下回り、指標となるオランダTTF先物は日本時間0819GMT時点で1メガワット時当たり59.70ユーロと6.2%下落した。ただ、TTFは月間ではなお46%超上昇している。米国市場の序盤では、10年物米国債利回りが3ベーシスポイント超低下して4.6406%となり、2年物は4.3030%、30年物は5.1260%にそれぞれ低下した。一方、WTI原油は5.34%安の84.55ドル、北海ブレントは5.77%安の91.20ドルとなった。いずれも先週は1バレル100ドル近辺まで上昇していた。緊張緩和は、米国による対イラン攻撃が13夜連続で続いた後に金曜日で止まり、テヘランが報復作戦を停止し、双方が3夜連続で交戦を控えたことによる一時休止と位置付けられている。もっとも市場が安堵する一方で、ペルシャ湾からのLNG輸送の混乱、カタールの輸出制限、アジア需要の強まり、猛暑、そして在庫率が約54%と前年の65%および過去5年の季節平均70%を下回っていることから、欧州のガス需給見通しはなお逼迫している。

用語解説
  • オランダTTF: 欧州の指標となる天然ガス先物契約。
  • LNG: 船舶で輸送される液化天然ガス。
  • ベーシスポイント: 1%の100分の1に当たる金利・利回りの単位。