今回の売却により、ステランティスは非中核のモビリティ事業からさらに距離を置き、600億ユーロ規模の再建計画「FaSTLAne 2030」の下で資本配分を進める。規制当局の承認を条件に、年内の取引完了を見込む。
ステランティスは、非中核事業を縮小し、600億ユーロ規模の再建計画「FaSTLAne 2030」に資本と経営資源を集中させる一環として、カーシェア子会社Free2moveを独投資会社Mutaresに売却する。財務条件は公表しておらず、取引は規制当局の承認を前提に年末までの完了を見込む。Free2moveは、ステランティス誕生前のPSAグループが2016年に立ち上げた事業で、欧州と米国の14都市でフリーフローティング型のカーシェア車両を運営し、利用者はスマートフォンアプリだけで車両を予約できる。Mutaresは、同事業の国際的な車両運用体制を刷新し、バッテリー式電気自動車への移行を加速するとともに、顧客体験と自治体向け都市モビリティ需要への対応を強化する方針を示した。今回の売却は、アントニオ・フィローザ最高経営責任者(CEO)が中国メーカーからの圧力拡大に対応しつつ、米欧での市場シェア回復を目指す中で実施される。ステランティスはこの売却について、Ram、Jeep、Peugeot、Fiat、および商用車事業Pro Oneに製品投資の約70%を振り向ける資本配分戦略の一環と位置付けており、年間売上高を2025年の1540億ユーロから2030年に1900億ユーロへ引き上げる目標を掲げている。