キオクシア急落が深刻化、東京市場で資金がメモリー半導体株からゲーム株へ

6月のピークから65%下落し約2450億ドルの時価総額が消失したことで、決算を前にキオクシアが配当を前倒しするのか、自社株買いを承認するのかに注目が移っている。

要約

キオクシアホールディングスは、6月22日の高値11万2700円からの急反落が続いており、株価は足元で約65%下落した。同社が一時、トヨタ自動車を抜いて日本で最も時価総額の大きい上場企業となった後、売りにより時価総額は約2450億ドル失われた。下落の背景には、AI関連の半導体取引全体の巻き戻しがある。投資家が過熱した持ち高やメモリー価格決定力の持続性を見直す一方、中国のNANDメーカーが生産能力を拡大した。 このメモリーメーカーの株価は、2024年12月の東京上場後に急騰し、データセンターがAI投資拡大に向けてNANDフラッシュメモリーの確保を急いだことで、2025年には500%超上昇した。需給逼迫で利益が押し上げられたことから、上昇は2026年にも続いた。しかし、SKハイニックスやサムスンを含む同業他社の下落と歩調を合わせる形で反落が広がっており、メモリー市況の転換を懸念する見方が強まっている。 株価下落を受け、キオクシアが株主還元を強化するとの思惑も広がっている。経営陣は5月、配当を優先する方針を示す一方、状況次第では自社株買いを含む柔軟な対応の余地を残した。会社の広報担当者は、自社株買いは引き続き検討中だが、具体的な決定には至っていないと述べた。投資家は金曜日に発表される第1四半期決算で、配当実施時期や、自社株買いが正式方針に近づくかどうかの手掛かりを見極めようとしている。

用語解説
  • NAND flash memory: データセンター、スマートフォン、ソリッドステートドライブで広く使われる不揮発性ストレージチップの一種。
  • share buybacks: 企業が自社株を買い戻すこと。通常は株主への資本還元や株価の下支えを目的とする。
  • sector rotation: 投資家が資金をある業種から別の業種へ移す市場の動き。