
自己保管型の共有流動性レイヤーが13のEVM (Ethereum Virtual Machine)チェーンで利用可能となり、ウォレットベースの流動性ポジションとローンチ報奨でオンチェーン市場の厚み拡大を狙う。
1inchは、2025年11月に開発者向けに初公開した自己保管型の共有流動性レイヤー「Aqua」を、すべてのユーザーに開放した。イーサリアム、アービトラム、Base、BNBチェーン、Robinhood Chainを含む13のEVM (Ethereum Virtual Machine)チェーンで稼働しており、Aquaは従来のDeFi(分散型金融)プールではなくレジストリとして設計されている。流動性提供者は自身のウォレット内のトークン残高の使用を承認し、その残高に対してポジションを作成する仕組みで、トークンが動くのは条件に一致するスワップがアトミックに実行された時のみである。1inchによれば、これにより1つのウォレット残高で複数のクオートを支えつつ、実行対象を実際に保有する資産に限定できる。 1inchはAquaを、分散型取引所で主流のプールモデルに代わるリスク制御型の選択肢と位置付ける。ウォレットがスワップをカバーできない場合は単に呼び出されないため、資本効率の改善につながり、同じ残高で複数のクオートを同時に裏付けられるとしている。同社が委託したDuneの調査では、主要な分散型取引所における集中流動性の約85%が2026年上半期に十分活用されておらず、追跡対象の18億4000万ドルのうち約16億ドルに相当したという。 ローンチに合わせ、1inch FoundationはDegensoft主導のMerklを通じ、流動性提供者向け報酬として1000万1INCHを拠出した。これに加え、1inch DAO(自立分散型組織)から50万USDCを追加する案も提示されており、ガバナンス承認が条件となる。AquaはOpenZeppelin、Nethermind、Hexens、Theoriを含む8件の独立監査を受けた。1inchによれば、トークン承認を取り消せば、その変更がオンチェーンで確認され次第、新規約定は停止する。ただし、提供者は依然として市場リスクとスマートコントラクトリスクを負い、スワップ手数料も保証されない。