
コインベースの新任副会長は、仮想通貨の市場構造法案について上院で「ゴール前1ヤード」まで来ていると述べ、同社が事業領域を広げる中で、訴訟対応から拡大路線への転換を浮き彫りにした。
デジタル資産市場明確化法案(Digital Asset Market Clarity Act)は上院でなお重要な最終局面にあり、コインベースの新任副会長ライアン・バングラック氏は、この法案について超党派の支持を得て「非常に大きな勢い」があり、「ゴール前1ヤード」まで来ていると述べた。同法案は、SEC(証券取引委員会)とCFTC(商品先物取引委員会)の管轄線引きをより明確にすることで、デジタル資産に関する連邦枠組みを整備する内容であり、支持者は監督強化、投資家保護、米国の競争力維持に必要だと主張している。 2026年7月9日にコインベース初の副会長兼コーポレート・アフェアーズ責任者に就任したバングラック氏は、同社の近年の法廷闘争中心の姿勢とは異なる規制対応を打ち出している。この発言は、コインベースが未登録証券を提供したとしてSEC(証券取引委員会)が2023年6月に提起した訴訟への対応を主導した最高法務責任者ポール・グレワル氏が、2026年7月31日に退任を控える中で出た。同訴訟は棄却された。 この経営体制の変化は、コインベースが中核の仮想通貨交換業を超え、株式取引、先物取引、予測市場、AIツールへと展開を進め、より幅広い金融サービス・プラットフォームとしての地位確立を目指す中で起きている。シタデル・セキュリティーズやSEC(証券取引委員会)での勤務経験を持つバングラック氏は、法案成立にはなお上院での対応が必要であり、手続き的フィリバスターを突破する60票の壁も残り、審議が秋にずれ込む可能性もあるなどリスクが残る中でも、規制の明確化と成長を強調している。 これとは別に、SEC(証券取引委員会)のポール・アトキンス委員長は、議会が行動しない場合でも、同委員会は既存権限の下で仮想通貨の市場構造規則を策定する用意があると述べている。一方で、将来の政権によって変更され得る当局規則よりも、立法の方がより持続的な法的確実性をもたらすとの認識を示した。