
同社のZKPoSPスキームは、資金移動や鍵の変更を伴わずに既存の階層的決定性ウォレットアドレスを保護しつつ、楕円曲線署名をゼロ知識証明に置き換えることを目指す。
AmericanFortressは、Zero-Knowledge Proof of Seed Provenance(ZKPoSP)と呼ぶ耐量子暗号設計を公表した。既存のビットコイン、イーサリアム、ソラナなどのブロックチェーンウォレットについて、ウォレットアドレスの変更や資金移動、鍵のローテーションを行うことなく、将来の量子攻撃への耐性向上に役立つ可能性があるとしている。この提案はCryptography ePrint Archiveに掲載された論文で示されたもので、シードベースの階層的決定性ウォレット向けに設計されている。ウォレットのシードフレーズにひも付くゼロ知識証明を用い、異なる楕円曲線実装をまたいで機能することを意図したQBIP32と呼ばれる鍵導出設計も採用する。研究者らは、この手法が基盤となるウォレットアドレスやブロックチェーンプロトコルではなく署名手続きを置き換えるものであり、個々の秘密鍵が侵害された後でも「Q-Day」以降に正当な保有者が支配権を証明できると主張した。RustとRISC Zeroのゼロ知識仮想マシンを用いた試作テストでは、証明生成時間は約12〜13秒、検証時間は約9〜10ミリ秒だったという。同社はまた、この設計がイーサリアム財団の同種提案と比べて21倍効率的であり、最終的にはその優位性が210倍に達する可能性があるとしている。このシステムはまだいずれのブロックチェーンネットワークにも採用されておらず、導入には開発者、ウォレット提供者、取引所、マイナー、利用者の支援が必要となる。