メタCEOマーク・ザッカーバーグ、米国で中国製AIモデルの遮断に警鐘

ザッカーバーグはAI規制への批判を強め、中国製モデルへの制限や少数の最先端研究所による統制強化よりも、オープンな開発の方が米国のイノベーションをより支えると主張した。

要約

メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、米国が人工知能分野で中国と競争する中でも、中国製AIモデルを米政府が遮断すべきではないと述べた。禁止措置は「有効な解決策ではない」としたうえで、ワシントンは代わりに国内のボトルネックに対処すべきだと主張した。英フィナンシャル・タイムズと米ニューヨーク・タイムズの異例のインタビューで、ザッカーバーグは有力AI企業が規制を自社に有利な形に誘導し、権力集中とイノベーション抑制を招きかねない取り組みも批判し、よりオープンなAI開発への支持を改めて示した。こうした発言は、中国の新興企業Moonshot AIのKimi K3が、蒸留技術を用いて米国のAIデータで訓練されたとの疑惑を巡り米当局の精査を受ける中で出たものであり、業界全体でもオープンなモデル開発の支持派と最先端システムへのより厳格な統制を求める陣営の分断が続いている。ザッカーバーグは一部の競合が唱える「アラインメントリスク」の議論にも異を唱え、万人と整合する単一の超知能は非現実的だとしたうえで、よりパーソナライズされたAIツールを提唱した。この論争は、OpenAI、Anthropic、Google、Metaなどの企業の従業員1,100人超が、必要に応じて最先端AI開発を減速できる国際的な仕組みを求める請願を支持したことで、さらに激化している。

用語解説
  • 蒸留: 別のモデルから挙動や出力を抽出してモデルを訓練する手法
  • アラインメントリスク: 高度なAIシステムが人間の意図と一致しない目標や行動を取る可能性への懸念
  • 最先端研究所: 最も高度なAIシステムを開発する企業