クアンタ董事会がGDR売却を承認、最大27億ドルを調達へ

クアンタの海外資金調達の詳細と197億台湾ドルの工場取得が明らかになり、大規模なAI向け生産能力投資に伴う希薄化と投資収益への懸念が強まり、株価は下落した。

要約

クアンタ・コンピュータが計画するグローバル預託証券(GDR)発行を通じた資金調達に対し、AI向け生産能力の増強が加速する中で、その調達規模を投資家が見極めようとする動きから市場の反発が強まった。7月30日の取引時間中に株価は9%超下落し、約5カ月ぶりの安値水準を付けた。市場では同社が生産能力拡大の必要資金として、海外でのGDR売却を通じて最大22億ドル、約710億台湾ドルを調達する方針であることが伝わった。 この売りは、クアンタが数日前に友達光電(AUO)から桃園市の華亜科技園区にある土地、建物および付帯設備を約197億台湾ドルで取得することで合意した直後に起きた。取得対象は土地約6万5000平方メートル、建物延べ床面積約16万3000平方メートルで、AIサーバーや高性能コンピューティング製品向けの生産能力を強化する取り組みの一環と広く受け止められている。 大規模な株式による資金調達と積極的な設備投資が重なったことで、利益の希薄化やAIインフラ投資の回収可能性を巡る投資家の懸念は強まった。クアンタはこれに先立ち、6月16日に取締役会で最大2億4500万株の新株発行を伴うGDR発行を承認しており、調達額の目安は20億ドルから27億ドルとしていた。今回の市場反応は、AIサーバー拡張サイクルに伴う資金需要に投資家がいかに敏感かを浮き彫りにしている。 一方、AUOにとってこの取引はより好意的に受け止められた。同社は華亜工場と関連設備の売却により、費用と推定税額控除後で約133億9000万台湾ドルの利益を見込むとし、アセットライト戦略と財務最適化を後押しすると説明した。AUO株は比較的底堅く推移し、取引所データによれば台湾の主要3機関投資家は2営業日連続で買い越し、7月29日には1万5000枚超を買い付けた。

用語解説
  • グローバル預託証券: 企業の本国市場外で取引される株式を表章する、銀行が発行する証書。
  • 高性能コンピューティング: 大規模で複雑、またはデータ集約型の処理に用いられる高度なコンピューティング。