予想を上回る雇用の伸びを受け、ブラジル中銀(BCB)のタカ派姿勢強化観測が高まった。一方、投資家はFRBの金利据え置きや財政懸念、新たな米関税による歳入圧迫も織り込んだ。
ブラジルの2026年6月の正規雇用者数は145,161人増となり、市場予想の115,000人を上回り、5月の72,960人増から加速した。労働市場の強さを改めて示す内容である。純増は、月間の採用222万人に対し解雇207万人となったことによるものである。雇用増は幅広い業種に及び、主要5部門すべてで純増となった。内訳はサービス業が74,514人増で最大、次いで農業22,898人増、商業19,177人増、工業14,438人増、建設業14,136人増であった。地域面でも広がりがみられ、ブラジル27州のうち25州で雇用が純増した。増加幅はサンパウロ州、ミナスジェライス州、リオデジャネイロ州が大きく、減少したのはエスピリトサント州とトカンチンス州のみであった。2026年上半期の正規雇用創出数は921,645人となり、正規雇用総数は4,803万人に達した。投資家はこの統計を、ブラジル中銀がよりタカ派的な姿勢を維持する根拠と受け止めた。中銀は6月、サービスインフレの背景として労働市場の底堅さを警戒しつつ、Selic金利を14.50%から14.25%へ引き下げていた。ブラジル10年国債利回りは7月29日に14.79%を付けた後、14.81%に上昇した。市場は米連邦準備制度の金利据え置きに加え、FOMC (Federal Open Market Committee)メンバー3人が利上げを支持したこと、財政赤字拡大懸念、新たな米関税による政府歳入への圧迫も消化した。Copomは8月4-5日に会合を開き、次回のSelic金利水準を決定する予定である。