日立、金融庁支援の実証後にデジタル資産AML監視サービスを2026年10月開始

日立、金融庁支援の実証後にデジタル資産AML監視サービスを2026年10月開始

同サービスは17社による概念実証を踏まえ、事前審査、事後モニタリング、トークン追跡を通じて、暗号資産、ステーブルコイン、NFTを対象とする。

ファクトチェック
日立の公式プレスリリースは、2026年10月にデジタル資産向けマネーロンダリング防止モニタリングサービスを開始すること、金融庁のFinTech実証実験ハブの支援を受けて17社と概念実証を実施したこと、仮想通貨・ステーブルコイン・NFTを対象とすること、さらに3つの機能(オンラインのリアルタイムな取引前ウォレットリスク評価=取引前スクリーニング、取引後モニタリング、トークン流通モニタリング=トークントラッキング)を備えることという、主張の全要素を直接確認している。金融庁も2026-07-24に概念実証の結果を独自に公表しており、CoinPostとbitbankも同じ事実を伝えている。
要約

日立は7月30日、デジタル資産取引向けのマネーロンダリング防止監視サービスを2026年10月に開始すると発表した。金融庁が支援した概念実証プロジェクトを発展させるものである。金融庁のFinTech実証実験ハブのもと、2026年3月から5月にかけて17の金融機関および暗号資産関連事業者が参加した実証では、企業間でリスク情報を共有し、取引前後の確認とトークン流通の監視を組み合わせる手法の実務上の実現可能性が確認された。 同サービスは、暗号資産、ステーブルコイン、NFTを対象とし、3つの機能で構成される。登録済みウォレットの取引後モニタリング、送金前に送付先ウォレットのリスクをオンラインでリアルタイム評価する機能、ステーブルコインなど発行済みトークンの保有・移転状況を追跡するトークンモニタリングである。取引を承認するかどうかの最終判断は各事業者が行い、日立はその判断を支援する情報を提供するとした。 概念実証では、顧客の個人属性情報を共有せず、ウォレットアドレスや取引情報といったリスクシグナルに基づいて、疑わしい取引に関する情報や高リスクのウォレット情報を共有する仕組みも検証した。日立は、既知のリスクリスト、外部のブロックチェーン分析、AIおよび機械学習による類似性分析を組み合わせた多層的な手法により、既存のリストだけでは見落とされるリスクを検知できる可能性が示されたと説明した。日本でデジタル資産の利用が拡大するなか、金融機関、暗号資産事業者、ステーブルコイン関連企業がリスク情報を共有し、早期検知、運用負担、人材不足といった課題に対応する業界横断の「AML共同センター」の整備も支援していく方針である。

用語解説
  • マネーロンダリング防止: 違法な金融活動を検知・防止するための資金洗浄対策。
  • ステーブルコイン: 多くの場合、法定通貨などに連動して価値の安定を目指すデジタルトークン。
  • NFT: 代替不可能なトークンであり、固有のアイテムや所有権記録を表すデジタル資産。