
EUは最大7カ所のAIギガファクトリー向けに100億ユーロの公的支援を計画し、高度なAI開発に向けた域内の計算能力拡充のため、200億ユーロの民間資本呼び込みを目指している。
欧州連合(EU)は、高度なAIモデル向けの域内計算能力の構築を進める中、公民合わせて300億ユーロ超の投資動員を目的とした調達計画の下で、最大7カ所のAIギガファクトリーの入札を開始した。 この計画は欧州委員会の広範な「AI Continent」構想の一環であり、AIインフラを戦略資産とみなす政策認識の強まりを反映している。当局者によれば、欧州の主なボトルネックは研究人材ではなく計算能力の不足であり、既存の公共インフラには需要が集中している。新施設は、公共スーパーコンピューターに接続された既存の19のAIファクトリーを補完し、欧州の規制およびデータガバナンスの枠組みの下で最先端AIシステムの学習と運用が可能な、より大規模な民間主導拠点を整備することを目的とする。 資金調達モデルでは、EUおよび各国の資金による100億ユーロを呼び水として、民間投資家から200億ユーロを誘発する想定であり、公的支援は通常、事業費の35%が上限となる。入札は2区分に分かれ、中規模ギガファクトリー最大4件と、より大規模な施設最大3件を支援する。EUと各国政府による支援額は案件に応じて10億ユーロから20億ユーロの範囲となる。小規模拠点では2万5000〜7万5000基のAIプロセッサーの配備が見込まれ、最大規模の施設では10万基を超える可能性がある。主要施設の誘致に関心を示している国には、ドイツ、イタリア、ギリシャ、ポルトガル、スペインが含まれる。 欧州委員会は2026年7月のEU・米国通商合意を受け、これらの事業向けハードウェアへのアクセス改善を支援するため、AMD、Nvidia、Qualcommと意向書を締結した。ただし欧州は引き続き海外の半導体メーカーに依存する見通しである。電力供給、送電網容量、冷却能力は、プロセッサー調達と並ぶ主要な制約要因であり続ける。応募締め切りは2026年11月12日で、EuroHPC JUによる審査を経た採択は2027年初めが見込まれ、選定案件は契約締結から約18カ月後に稼働開始する見通しである。ヘンナ・ビルックネン氏は今回の開始を、EUのAI戦略における「画期的な節目」と位置付けた。