Ionic DigitalがIONDでナスダック取引開始、債権者の株式売却にはばらつき

Celsiusの債権者に関連する破産回収株約3700万株にはロックアップや譲渡制限がかかっており、上場しても全保有者に直ちに流動性が生じるわけではないことが浮き彫りになった。

要約

Ionic Digitalは7月28日、ティッカーシンボル「IOND」でナスダック市場での取引を開始し、Celsiusの破産再建計画に基づき発行された株式を含む既存のクラスA株の公開市場が形成された。今回のダイレクトリスティングで同社が資金を調達したわけではなく、価格形成と、債権者関連の持分にとって潜在的な出口経路が開かれた形である。 ただし、その出口は一様ではない。Ionicが2024年1月31日にCelsius Mining資産を取得した際、Celsius Networkおよび一部の子会社・関連会社の承認済み旧債権者に関連する約3700万株が発行されたが、この回収株のかなりの部分には依然としてロックアップや保有者ごとの各種制限が課されており、直ちに売却できない。その結果、ナスダックで形成される株価は、見出し上の上場規模が示唆するよりも小さい自由流通株数を反映することになる。 Ionicは上場前時点で、名義人口座で保有する実質株主を除き、約82,000人の記録上の株主がいたと説明した。ただし、届け出資料ではそのうち何人がCelsius債権者への交付先だったかは明らかにされていない。目論見書ではこれとは別に、Ionicの2026年6月の私募に関連する10,800,164株の売出株も登録しており、これは破産再建計画に基づく3700万株とは別枠である。この私募の投資家は通常、上場から6カ月間は1株70ドル未満で証券を譲渡できなかった。 決済の仕組みも摩擦要因を加えている。株式がOdyssey Transfer and Trust Companyに残っていた株主は、株式を証券口座へ移すために、Depository Trust Companyに参加し、Direct Registration Systemに対応する証券会社を利用する必要があった。この手続きには通常1〜2営業日を要するとIonicは説明している。Investing.comによると、IONDの初日の終値は62.90ドルで、出来高は約158万株だった。ただし、この市場価格は、株式がロックされていたり、なお移管手続き中だったりする保有者にとって必ずしも利用可能な価値ではなかった。

用語解説
  • ダイレクトリスティング: 企業が新株を発行せず、既存株式を取引対象として上場する公開市場デビューの手法。
  • ロックアップ: 上場や再編後の一定期間、一部株主による株式売却を制限する取り決め。
  • Direct Registration System: 紙の株券ではなく、会社の株主名簿に株式を電子的に直接記録して保有する方法。