Digital Asset Acquisition、Old Glory Bank巡る7月31日のSPAC投票を8月14日に延期

今回の延期でDAAQは票集めの時間を確保したが、償還後にどれだけ現金が残るのか、またOld Glory Bankが資本要件とクロージング条件を満たせるかは依然として不透明である。

要約

Digital Asset Acquisition Corp.は、規制対象銀行であるOld Glory Bankの親会社Old Glory Holding Companyとの合併案を巡る株主投票を、議決権行使委任状の勧誘を継続するなかで7月31日から8月14日午前10時(米東部時間)に延期した。DAAQのクラスA株主による償還請求は、期限が7月29日だったこともあり、今回の延期によって自動的に再開されなかった。同社は、その日以降の取り下げを認めたかどうかを明らかにしていない。 今回の延期で、取引の資金調達面と規制面のハードルへの注目が強まっている。合併契約では、償還後にトラスト勘定に残る資金、実際に受領したPIPE資金、その他の取引資金調達を合算したクロージング時総現金額が少なくとも5000万ドル必要とされるが、適法な範囲であれば署名済み書面によりこの条件を放棄できる。DAAQは3月31日時点で、トラスト勘定の証券1億7858万ドルと償還可能な公開株1725万株を報告していたが、7月の償還件数や残存トラスト資金は開示していない。7月7日の目論見書では、PIPEやその他の取引資金調達は締結も調達もされていないとされ、6月の提出書類ではDAAQが非償還契約の交渉を進める意向を示したものの、締結済みのコミットメントは特定されなかった。 Old Glory Bankも資本面の圧力を抱えたまま投票期間に入った。最終目論見書によると、6月29日時点で同行のティア1レバレッジ比率は通常の「十分な資本」基準である4%をなお下回り、合併契約上の誓約条項に技術的に抵触していたが、Old Gloryは重要性がないと判断していた。2024年5月の連邦預金保険公社とオクラホマ州銀行局による同意命令では、命令が有効である限り14%のティア1レバレッジ比率を維持することに加え、規制当局の審査を受けた資本計画と事業計画、配当や賞与に対する事前承認が求められている。持ち株会社の連結開示でも、今後12カ月の営業損失と最低規制資本需要を賄うには資本が不足する見通しとされ、継続企業の前提に重大な疑義が生じているが、経営陣は取引が成立すれば合併資金がそのリスクを和らげる可能性があるとしている。 規制当局の承認も引き続き焦点である。最終目論見書時点では、米連邦準備制度への申請はなお審査中で、合併後企業のNasdaq新規上場承認もクロージング条件のままである。

用語解説
  • SPAC(特別買収目的会社): 公開市場で資金を調達し、非上場企業との合併を目的とする特別買収目的会社。
  • 償還請求: SPAC株主が、合併後も投資を継続する代わりに、保有株式を現金と引き換えることを選べる手続き。
  • ティア1レバレッジ比率: 中核的自己資本を平均総資産と比較する銀行の自己資本指標で、規制当局が財務健全性の評価に用いる。