黒海懸念の緩和で小麦は1ブッシェル当たり約6.40ドルに下落

ロシアがアゾフ海・黒海の海運安全強化に動き、原油価格が下落し、米国の作柄評価改善で供給潤沢観測が強まる中、価格は7月13日以来の低水準を付けた。

要約

8月上旬の小麦価格は、黒海の輸出混乱を巡る懸念の緩和に加え、原油安と米国の作柄改善が相場の重しとなり、1ブッシェル当たり6.40ドル前後ないしそれ以下に下落し、7月13日以来の低水準となった。ロシアは、ロシアとウクライナの間で海上攻撃が激化したことを受け、アゾフ海・黒海海域の海運安全を改善し、代替貨物ルートを整備するための作業部会を設置したと述べた。米農務省(USDA)のデータでは、米国の春小麦の優良・良好比率が1週間前の53%から55%に上昇し、供給が潤沢になるとの見方を支えた。ウクライナの農相は、代替輸出ルートの制約は少なくとも8月末まで続き、輸送能力は通常の黒海出荷量のおよそ半分にとどまると述べており、輸出継続で大規模な混乱への懸念は和らいだものの、一定の供給リスクは依然として意識されている。

用語解説
  • アゾフ海・黒海海域: アゾフ海と黒海を結ぶ海運回廊で、ロシアとウクライナの穀物輸出にとって重要なルート。
  • USDAの作柄評価: 米農務省が毎週公表する作物の生育状況評価。優良・良好比率などが含まれ、トレーダーは供給見通しの判断材料として用いる。
  • 代替輸出ルート: 通常の黒海海運の代わりに用いられる物流経路で、迂回貨物輸送などを含む。輸送量が少なく、コストが上昇する場合がある。