雲鋒基金、評価額40億ドルでCorgiの3000万ドル調達を主導

ジャック・マー氏が支配するプライベートエクイティ会社が、米中双方の審査強化で国境をまたぐテクノロジー取引が一段と難しくなるなか、米スタートアップへの異例の出資に踏み切った。

要約

雲鋒基金は、サンフランシスコを拠点とするAI商業保険スタートアップのCorgiによる3000万ドルの資金調達ラウンドを主導し、同社の評価額は40億ドルとなった。事情に詳しい関係者の話と確認したやり取りを引用したBusiness Insiderの報道によれば、この取引は雲鋒基金にとって公表された案件としては初の米スタートアップ投資であり、テクノロジーと資本の流れを巡る米中の緊張が高まる局面での異例の海外案件とされる。Corgiはエミリー・ユアン氏とニコ・ラカ氏が共同創業し、アンダーライティング、保険金請求処理、契約管理などのバックオフィス業務の迅速化を狙うAI駆動型の保険インフラを手がけている。同スタートアップはY Combinatorの2024年夏期コホートに参加しており、24時間営業のカフェを運営し、週7日勤務を推奨していることでサンフランシスコで知られるようになった。TCV主導の5月のシリーズBで約13億ドルの評価額に基づき1億6000万ドルを調達して以降、同社の評価額は3カ月でほぼ4倍に膨らんだ。これまでの1億800万ドルのシリーズAと今回の雲鋒基金による出資を含めると、累計調達額は2億9800万ドルを上回った。この投資は、CFIUS(対米外国投資委員会)による審査や、中国による対外テクノロジー投資規制の強化にもかかわらず、米AIへの世界的な関心が続いていることを浮き彫りにしており、ワシントンでさらに注目を集める可能性がある。

用語解説
  • アンダーライティング: 保険料率を算定するためにリスクを評価すること
  • ダイナミックプライシング: リアルタイムデータを用いて調整される価格設定
  • CFIUS: 対米外国投資を審査する米国の委員会