JX金属、2027年3月期の営業利益予想を2320億円に引き上げ

AIデータセンター需要、銅価格の上昇、円安が第1四半期の増益を後押しし、同社は大規模な能力増強計画も示した。

要約

JX金属は、2026年4-6月期の第1四半期が好調だったことを受け、2027年3月期の連結営業利益予想を2320億円に引き上げた。第1四半期の営業利益は、半導体材料と通信材料の販売増、銅価格の上昇、円安を背景に2.8倍の814億円となった。売上高は36%増の2606億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は181%増の531億円となった。 今回の引き上げは、とりわけ半導体用スパッタリングターゲットを中心とするAIデータセンター関連需要の強さに加え、同社の重点2事業である半導体材料と情報通信材料の業績拡大を反映したものである。半導体材料の売上高は34%増の521億円、営業利益は69%増の144億円となり、情報通信材料の売上高は19%増の931億円、営業利益は70%増の131億円となった。 市場環境も大きな押し上げ要因となり、平均為替レートは1ドル=159円と前年同期比14円の円安となり、ロンドン金属取引所(LME)の銅価格は40%上昇して1ポンド当たり604セントとなった。JX金属によると、これらの要因だけで営業利益を265億円押し上げたほか、チリのカセロネス銅鉱山の持分一部売却に伴う190億円の利益も業績を押し上げた。通期前提は1ドル=157円、銅価格は1ポンド当たり586セントに見直し、市況要因が営業利益を従来想定より400億円多く押し上げる見通しだとした。一方、悪天候によるチリでの鉱山生産減少が60億円の逆風になるとも示した。 先行きについて、JX金属は半導体用スパッタリングターゲットの生産能力を2025年度比で1.3倍、磁性材料ターゲットを1.2倍、光通信用のリン化インジウム基板を7倍から10倍に拡大する計画であり、AI関連需要の持続を見込む姿勢を鮮明にした。

用語解説
  • 半導体用スパッタリングターゲット: 半導体製造で使用される薄膜材料。
  • ロンドン金属取引所(LME): 銅などの工業用金属の価格指標として用いられる世界的な金属市場のベンチマーク。
  • リン化インジウム基板: 光通信部品で使用される材料。