日銀審議委員のカズユキ・マス氏は9月10日に講演と記者会見を行う予定であり、9月17-18日の金融政策決定会合を前に、中銀高官による公の場への登場はこれで3回目となる。市場では同会合での利上げ予想が強まりつつある。氷見野良三副総裁は8月27日、高田創審議委員は9月2日に発言する予定で、この並びは過去の利上げ前の日銀のコミュニケーションを想起させると投資家はみている。高田氏は7月、1.25%への即時引き上げを支持して反対票を投じており、マス氏と氷見野氏も市場参加者の間では近い将来の引き締めに前向きと受け止められている。先週の日米共同の円買い介入と、米財務長官スコット・ベッセント氏の発言を受けて、こうした見方は一段と強まっている。ベッセント氏は、米国主催のG20会合が8月31日と9月1日に開かれる際に植田和男総裁と会談する見通しだと述べた。アナリストは、9月の利上げは12月の追加利上げ余地を残す可能性があると指摘している。日銀は2024年に10年超にわたる大規模緩和策を終了し、直近では6月に政策金利を1%へ引き上げたが、これは31年ぶりの高水準である。一方で、その緩慢な対応への批判は強まっており、日米金利差が円を40年ぶりの安値に押し下げる一因となった。