ノルウェーの政府系ファンド、主要市場で株主の権利が侵食されていると警告

ノルウェーの政府系年金基金は、EU域内で各国のルールに一貫性がないことが投資家の実効的な議決権行使能力を損なっているとして、欧州委員会に伝え、株主の権利の弱体化に対する警告を強めた。政府年金基金グローバルを運用するノルウェー銀行投資管理部門(Norges Bank Investment Management、NBIM)は5月6日付の書簡で、株主権利指令の実施が各国で不均一であるため、議決権行使の期限、確認手続き、年次総会の形式が加盟国間で分断されていると述べた。同ファンドによれば、その結果、約2320億ユーロ相当の約1080社のEU企業に出資するグローバル投資家であっても、業務運営上の障害が生じている。 今回の働きかけは、創業者や内部関係者、経営陣に有利な構造やルールを通じて主要市場全体で株主の権利が薄められているという、同ファンドのより広範な批判に、EUの政策という具体的な論点を加えるものである。NBIMは、議決権行使の基準日がさまざまであること、投票が適切に集計されたことの確認が限定的であること、対面参加の選択肢がない完全オンライン型の年次株主総会の増加が、株主の関与を弱める可能性があると述べた。また、複数議決権種類株の構造についての懸念も改めて表明し、種類株ごとの議決権の開示を求めるとともに、新株発行は株主が承認すべきだとの立場を維持した。 同ファンドの運用資産は約2.3兆ドルで、世界の上場企業全体の平均1.5%を保有し、世界約7200社に対して年間11万件超の議決権を行使している。ファンド関係者はこれまでに、株主の権利の侵食は米国、英国、欧州、香港で見られると述べており、IPOをめぐる競争が、従来のガバナンス基準からの逸脱を一段と促していると警告している。

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