ドイツ連邦銀行のデータに基づくドイツ経済研究所(IW)の試算によると、2026年上半期のドイツ企業による米国への直接投資は43億ユーロとなり、2023年以来の低水準となった。総額は前年同期比で約3分の2減少し、2024年上半期と比べてもほぼ80%減となり、2025年1月にトランプ大統領が2期目を開始して以降続く減少傾向がさらに鮮明になった。IWの研究員サミナ・スルタン氏は、企業は買収や新規事業といった戦略的な新規投資を手控えている一方、すでに米国に進出している企業は現地で得た利益の再投資を続けていると述べた。この構図は、米国市場に引き続き魅力があることを示す一方、関税を巡る脅威や米EU通商関係の悪化を背景に、企業が新たな自己資本の投入には一段と慎重になっていることを示唆している。2026年上半期の数字は、新型コロナウイルス禍前の5年間平均である158億ユーロも大きく下回っており、パンデミック期の例外的な状況を除くと、投資意欲がいかに大きく弱まっているかを浮き彫りにしている。DIHKの調査では、米国で事業を展開するドイツ企業のうち、現地で設備投資を増やす計画があるとしたのは41%にとどまり、長期平均を下回った。直接投資のデータは個別の大型案件によって振れやすく、後に改定される可能性もあるが、IWはドイツの対米投資の冷え込みという大きな流れは明らかだとしている。