オーストリア統計局の発表によると、EU加盟国間の比較が可能なインフレ指標であるオーストリアの調和消費者物価指数(HICP)は7月、前月比0.4%低下し、市場予想と一致した。年率はプラス圏を維持したものの、年初からの減速傾向が続いた。エネルギー価格の低下と季節的なパッケージ旅行費の下落が前月比の低下を主導した一方、サプライチェーンの圧力や農業コストを背景に、食品価格は比較的下がりにくい状況が続いた。市場の反応は小さく、ユーロは主要通貨に対して横ばいで推移し、オーストリア国債利回りもおおむね変わらなかった。オーストリアのインフレ動向は、ユーロ圏全体で2%のインフレ率を目標とする欧州中央銀行(ECB)が注視している。持続的な低下は利上げの停止やペース減速を支える可能性があるが、コアインフレ率は総合インフレ率を上回っており、政策当局者の懸念材料であり続けている。市場参加者は現在、ユーロ圏全体のHICP発表を待っている。インフレ率は2024年を通じて緩やかに低下すると予想されるものの、根強いコアインフレ圧力とエネルギー価格の変動リスクが引き続き存在する。