ユーロは英ポンドに対して明確な方向感を見いだせず、予想を上回るドイツの鉱工業生産や貿易統計が一時的な押し上げ要因となった後も、EUR/GBPはおおむねレンジ内で推移した。同通貨ペアは0.8560で取引され、GfK消費者信頼感指数が改定前の-22.5から-21.3へ4カ月連続で上昇し、予想の-21.5をわずかに上回ったにもかかわらず、0.1%下落した。トレーダーの関心は、予想を上回った経済指標よりも、欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行の相対的な金融政策の方向性に向かった。ECBは慎重でデータ次第の姿勢と利下げの可能性を強調している一方、イングランド銀行は、成長鈍化の兆候があるなかでインフレ率がなお目標を上回っており、比較的タカ派とみられている。市場では利下げ回数が少ないとの見方が織り込まれている。ユーロ圏の製造業とサービス業が低迷する一方、英国では第1四半期に小幅な成長がみられたことから、金利差が一段と意識され、為替レートは2022年後半以来の低水準付近にとどまっている。今後発表されるインフレ指標と、フランクフルトおよびロンドンから発信される中央銀行のメッセージが、膠着状態を打破し得る主な材料となる。