ドイツ産業界と、同国の与党である保守系および社会民主党系の議会会派は、中国との競争に対する欧州の対応を強化するようフリードリヒ・メルツ首相に圧力をかけている。これには、アンチダンピング措置や反補助金措置の迅速化、自動車メーカーへの対象を絞った支援が含まれる。議会筋によると、8月28日に発表された提案は主に中国の過剰生産能力を対象としたものだが、ロイターが確認した文書には中国への言及はなかった。各会派はまた、ドイツの電気自動車補助制度にEU法に準拠した現地調達基準を導入すること、2035年以降もプラグインハイブリッド車、航続距離延長型電気自動車、高効率の内燃エンジン車を認めること、さらにプラグインハイブリッド車の排出量算定に用いるユーティリティーファクターについて、2027年初めに予定されている厳格化を延期することを求めた。メルツ氏は閣僚に対し、EUと中国の貿易不均衡に関する提案を準備するよう指示しており、10月の北京との協議が決裂した場合には、ブリュッセルが措置を策定することを支持すると示唆している。この政策転換の背景には、中国、欧州、第三国市場でドイツ企業にかかる圧力の高まりがある。ドイツの対中貿易赤字は昨年、約220億ユーロ拡大して893億ユーロとなった。一方、経済協力開発機構(OECD)の報告書によると、中国の製造業者が受けた政府支援は、売上高比でみてOECD加盟国の競合企業の3~8倍に上った。メルツ氏はまた、企業改革と政府支出の拡大により、ドイツは2027年に少なくとも1%の成長を達成できると述べているが、連立政権が政策課題を実行できるかどうかは依然として注視されている。