総務省のデータによると、8月の東京都区部コア消費者物価指数(CPI)は前年比1.9%上昇した。7月の2.0%から鈍化し、市場予想の2.0%を小幅に下回った。生鮮食品を除く同指数が2%を下回るのは数カ月ぶりで、加工食品や家庭用耐久財の上昇率が鈍化したほか、エネルギーの寄与も縮小した。生鮮食品とエネルギーを除くコアコア指数は1.5%上昇し、7月の1.6%から低下した。需要主導のインフレはなお穏やかな水準にあることを示している。今回の鈍化した結果は、日銀の次回政策決定会合を数週間後に控えたタイミングで示された。同会合では、超緩和的な政策設定が引き続き適切かどうかを当局者が検討する。植田和男総裁は、政策調整の前提は、賃金上昇と国内需要に支えられた持続的な2%インフレであると述べている。エコノミストは、今回の小幅な鈍化には一部、エネルギーのベース効果が影響しており、差し迫った利上げへの圧力を弱める可能性があると指摘している。ただし日銀は、賃金上昇がサービス価格により明確に波及するのを待つ公算が大きい。世界の投資家は、円相場や日本国債利回りへの影響を見極めるうえで、物価の進展を注視している。一方、実質賃金は依然として物価上昇に追いついていないものの、家計にとっては一定の負担軽減となる。