欧州中央銀行(ECB)のデータによると、ユーロ圏の民間向け融資は7月に前年同月比3.1%増となり、予想の2.9%を上回った。6月の改定値2.8%からも加速した。非金融法人向け融資は2.9%増、家計向け信用は3.4%増となり、借入コストが高止まりする中でも資金調達需要が持ちこたえていることを示唆した。この改善は、ECBの積極的な利上げが融資活動を圧迫した2024年末から2025年初めにかけての低調な信用伸びに続くもので、借り手が高金利に適応する中、金融政策の波及過程が安定しつつある可能性を示している。今回の強いデータを受け、政策当局は今後、段階的な利下げを検討する余地を持つ可能性がある。ただし、インフレ率は依然としてECBの2%目標を上回っており、金融政策の経路はデータ次第となる。市場は、ECBが9月の会合で政策指針を変更するか注目している。今回の数値は、既に公表されている7月のM3の数値とは対照的だ。同統計では、マネーサプライの3カ月年率伸び率が、6月の改定値3.0%から3.2%に加速したものの、コロナ禍前の4%~5%の水準をなお下回った。両指標を合わせると、過度に緩和的ではないものの、資金調達環境が徐々に改善していることが示される。信用環境の緩和は、企業の事業拡大、運転資金、家計消費、ユーロ圏の緩やかな景気回復を支える可能性がある一方、返済コストの上昇は新規借り手や変動金利の借り手に引き続き圧力をかけている。