スイスが導入を予定する透明性登録簿は、約60万の法人の実質的所有者を対象に、2026年10月1日に運用を開始する予定である。7月29〜30日の夜間にハッカーがリヒテンシュタインのVwbP(実質的所有者登録簿)へ侵入し、約3万1000法人に関連する個人データを抽出したことで、懸念が強まっている。盗まれた情報には氏名、生年月日、国籍、居住国が含まれていたが、財務データは含まれていなかった。スイスの資産運用会社は、今回の事件が、リヒテンシュタインの登録簿の約20倍の規模となる中央集権型データベースを構築することに伴うサイバーセキュリティ上のリスクを浮き彫りにしたと指摘している。実質的所有者登録簿は、企業、財団、信託を最終的に支配する人物を特定することで、マネーロンダリングの抑止を目的としている。リヒテンシュタインは、欧州経済領域(EEA)への加盟を通じてEUのマネーロンダリング対策指令に準拠するため、2021年に同登録簿を導入した。今回の情報流出を受け、個人情報がさらされた富裕層に影響を及ぼし得るソーシャルエンジニアリング、身元情報の盗用、物理的な安全上のリスクについても懸念が高まっている。