テザーCEOのパオロ・アルドイーノ氏は、国際決済銀行(BIS)がトークン化された銀行預金を支持していることに異議を唱え、完全準備型ステーブルコインは部分準備銀行制度下で保有される資金に対し、預金者により強力な選択肢を提供すると主張した。BISのパブロ・エルナンデス・デ・コス総支配人は8月28日、ジャクソンホール経済シンポジウムで、ステーブルコインは額面での償還可能性、相互運用性、金融の健全性、通貨主権の点で依然として不十分だと指摘した。また、中央銀行口座を通じて決済される商業銀行の債務であり続けるトークン化預金の方が、日常的な決済における通貨の単一性をより適切に維持でき、ステーブルコインは専門的な用途に利用されるとの見方を示した。これに対しアルドイーノ氏は、ステーブルコインは米国債など流動性の高い資産で準備資産を保有できると反論し、預金者がなぜ準備資産の一部しか裏付けられていない銀行商品に資金を置き続けるのかと問いかけたうえで、ステーブルコインへの資金移行が可視化される局面にシステムが入っていると述べた。銀行各行は競合する決済基盤の構築を進めている。JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴは、The Clearing Houseを通じ、2027年前半の稼働を目指す共同預金トークンネットワークを開発している。SWIFTは7月、17の大手銀行とブロックチェーンの共有台帳を立ち上げた。Custodia BankとVantage Bankは、2026年第4四半期の導入を予定する二重用途トークンの試験を進めている。米国では、銀行業界団体とシティグループのジェーン・フレーザーCEOが、CLARITY Actにおけるステーブルコイン報酬をめぐって議員に法改正を求めている。GENIUS Actが発行者による直接の利払いを禁じたことを受け、預金流出を警告しているためである。一方、エルナンデス・デ・コス氏は、ステーブルコインによる米国債需要が政府の借入コストを引き下げる可能性がある一方、預金流出によって銀行の資金調達コストが上昇する可能性も指摘した。