日本銀行(BOJ)のデータによると、日本のマネタリーベースは8月に前年同月比15.7%減少し、市場予想の13.5%減を上回る縮小となった。マネタリーベースは、流通通貨と金融機関が中央銀行に預ける準備預金で構成され、金融政策やBOJのバランスシートを示す指標である。その縮小は、BOJが大規模な資産買い入れとイールドカーブ・コントロール(国債利回りを目標とする政策)を段階的に終了するなかで、量的引き締め(中央銀行のバランスシートを縮小すること)が進んでいることを反映している。予想を上回る減少は、国債などの資産買い入れの減少に加え、一部の新型コロナウイルス関連融資制度が終了したことによるものとされた。この転換は通貨供給量を減らすことで円を下支えする可能性があるものの、金利差や世界の市場環境も引き続き重要である。日本のコア消費者物価上昇率は1年以上にわたりBOJの2%目標を上回っており、長期化する金融刺激策の見直しを求める圧力が強まっている。正常化の過程は、借入コストや政府債務の利払い、金融セクターに影響を及ぼす可能性がある一方、円と日本国債は今後の政策シグナルに引き続き敏感に反応するとみられる。