円は2日間でドルに対して5円超上昇し、ニューヨーク市場ではドル円が155.30円まで下落した。1日夜には160円台前半で取引されていた。ドル円が158.44円の200日移動平均線を下抜けると、動きに弾みがつき、レバレッジをかけた投資家が円売りポジションの買い戻しを迫られた。 日銀の利上げ観測と、米連邦準備制度の金融政策がタカ派色を弱めるとの見方から、日米金利差の隔たりは縮小した。市場では、9月17~18日の日銀金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げが行われる確率を約75%と織り込んでいた。日銀の高田創審議委員が、政策当局は金利を柔軟に調整し、大幅な利上げも排除すべきではないと主張したためである。米連邦準備制度理事会(FRB)のクリストファー・ウォラー理事は、インフレ鈍化が続けば9月15~16日の会合で金利を据え置くことを支持すると述べた。一方、CMEのフェドウオッチでは、9月利上げの確率は50.5%とされ、従来の63.2%から低下した。 JPモルガンは円の売り持ち高を16兆~17兆円、約1088億ドルと推計し、1ドル=155円を下回ればポジションの巻き戻しが加速する可能性があると指摘した。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が円建て資産の保有比率を引き上げるとの思惑も円を支えた。ただ、日銀の当座預金データでは、財務省が2日にドルを売って円を買った形跡は確認されず、この動きが新たな為替介入によるものだとする報道には疑問符が付いた。投資家は、米国の8月雇用統計とその後に発表されるインフレ指標を注視しており、FRBの政策やドル円への影響を見極めようとしている。