バイナンスは、暗号資産サービス提供者への規制適用が2026年7月1日に始まってから2カ月超が経過した現在も、MiCA(暗号資産市場規制)認可なしで一部のEU顧客へのサービス提供と新規顧客の受け入れを続けている。取引所は、無認可企業が自発的に接触してきた顧客にサービスを提供できる「逆勧誘」の解釈に依拠しているほか、一部のEU取引はアブダビのバイナンス法人を経由していると報じられている。バイナンスは、ギリシャ資本市場委員会が6月17日に予定していた理事会協議を前に、6月16日にギリシャでの認可申請を撤回し、別のEU加盟国で認可を取得する方針を示している。事情に詳しい関係者によると、欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁は、ギリシャでの認可を阻止するため水面下で働きかけた。欧州証券市場監督局(ESMA)は、バイナンスがEU事業を適切に縮小していることの確認を求めているが、執行を担うのは各国の規制当局である。Kaikoのデータによると、8月下旬時点でバイナンスの世界の現物取引シェアは45%超を維持し、ユーロ建て取引量に占めるシェアも3~4%と、7月1日以前からおおむね変わらなかった。次の認可取得先となる国は依然として確認されておらず、EUでの事業展開は、規制当局が現在の運営体制をどう扱うかに左右される状況にある。