ドナルド・トランプ大統領は、米国が貿易赤字を抱える国との貿易を、米連邦準備制度が金利を引き下げない限り停止すると脅した。8月の雇用者数の伸びが予想を大幅に上回ったことを受けた動きである。雇用者数は16万2000人増と、コンセンサス予想の5万6000人増のほぼ3倍に達した。一方、7月の雇用者数は当初の2万3000人減から、2万1000人増へと上方修正された。8月の雇用者数の増加分全体の約62%は、外食サービスと地方政府の教育部門が占めた。これを受け、CME FedWatchが示す9月16日のFOMC会合で政策金利が3.75~4%に引き上げられる確率は、木曜日の49.4%から60.2%に上昇した。一方、利下げの確率は0.0%に低下した。2年物米国債利回りは4.4%に上昇した。雇用情勢の弱さは、金融引き締めに反対する明確な根拠ではなくなり、会合前の主な試金石はインフレとなった。7月の総合PCEインフレ率は前年比3.7%、コアPCEインフレ率は3.3%で、米連邦準備制度の目標である2%を上回った。トランプ氏の発言に先立ち、7月のデータでは米国の財・サービス貿易赤字が24.4%拡大し、886億ドルとなったことが示されていた。メキシコ、ベトナム、中国、欧州連合(EU)との赤字も含まれる。赤字拡大の一因はAIデータセンターへの支出で、コンピューター輸入は6月から7月に25%、半導体輸入は10%増加した。8月の雇用統計では、建設業の雇用者数も2万2000人増え、その一部はデータセンター開発に関連していた。FOMCの決定前に予定されている主な経済指標は、9月11日発表のインフレ統計となった。