米証券取引委員会(SEC)は、3月に開始した調査の一環として、機関投資家向け議決権行使助言会社Institutional Shareholder Services(ISS)に顧客の詳細な投票記録を提出させるよう、連邦裁判所に申し立てた。SECによると、ISSは顧客を特定する記録や投票判断の内容を含む4年分の文書を求めた行政召喚状に、全面的には応じていない。調査では、ISSが顧客の最善の利益に沿って助言する受託者責任など、証券法を順守しているかどうかに加え、政治的または政策上の目的が推奨に影響していないかを調べている。今回の調査は、ドナルド・トランプ大統領が12月に発令した大統領令を受けたもの。同令はSEC委員長に対し、ISSやGlass Lewisなどの議決権行使助言会社による環境・社会・ガバナンス(ESG)および多様性・公平性・包摂(DEI)に関する指針を精査するよう指示した。ISSは引き続き協力する方針だとしつつ、情報開示によって同社と顧客が報復を受ける恐れがあると警告し、米国憲法修正第1条を根拠に請求範囲へ異議を唱えている。ドイツ取引所が2021年に過半数株式を取得して以来、同社の傘下にあるISSは、議決権行使助言会社大手2社の一つである。両社の推奨は、役員報酬、取締役、合併、株主提案をめぐる機関投資家の投票に影響を及ぼす可能性がある。ISSとGlass Lewisは合わせて市場の約90%を支配している。ISSは2013年、顧客の機密性の高い委任状投票情報を保護する措置をめぐり、SECに30万ドルの制裁金を支払った。